未浩の‥みじ怪談#04

未浩の‥
「みじ怪談」
その三十一〜

その三十一「んぎゃ」

真夜中、
息苦しくて目が覚めた。
身体が動かない‥
金縛り‥
首に何かが、
巻きついている。
紐‥いや‥
ぬるぬると柔らかい、
よく見ると中空に、
逆さまに浮かぶ、
赤ん坊‥
その、へそに繋がる、
へその緒 ?!
逆さまの赤ん坊が、
んぎゃ‥と笑った。

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未浩の‥みじ怪談#03

未浩の‥
「みじ怪談」
その二十一〜その三十

その二十一「すくう」
なぜ‥この川に来たのか?
暑い真夏のような日差しに、
たまらず冷たい川の水に手を浸し、
すくい上げると‥長い髪の毛の束が、
まるで、生き物のように絡みつき‥
川底へ引きずり込む。
私は思った‥あの女だ‥
数年前この川で殺した女だ。

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未浩の‥みじ怪談#02

未浩の‥
「みじ怪談」
その十一〜その二十

その十一「靴音」
残業で深夜になった帰り道、
家の近くは人通りが少ない。
私のヒールの音に混じって、
男性の靴音が後ろから響く、
足早になる私を追い抜いて行った。
なんだ‥ストーカーじゃなかった‥
‥だけど男の姿もない。
靴音だけが私を追い越して行った。

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